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ソフトウェアテストの国際規格とは?

ISOやIEC、ITUなどの種類がある国際規格。いずれも、国際標準化団体が策定したものであり、全世界で汎用的に利用することが出来ます。国際規格はWTO加盟国が守るべきルールでもあり、各国の足並みをそろえる、企業や組織が従わなければいけないものでもあるため、反対意見が出されています。

国際規格にはそれぞれ役割や目的がありますが、ソフトウェア開発についても様々な規格があります。IEC61508は機能安全について、ISO/IEC 26262は自動車の機能安全規格、ISO/IEC 12207はソフトウェアライフサイクルプロセスを定めています。

今回は、ソフトウェアテストの国際規格としてリリースされたのがISO/IEC/IEEE 29119について、その概要や使用目的について解説していきます。

ISO/IEC/IEEE 29119が策定された背景について

ISO/IEC/IEEE 29119は、2007年から策定が検討され始めました。この名称にある「ISO」「IEC」「IEEE」はいずれも標準化団体であり、3つの団体が合同で策定したことを意味しています。ちなみに、ISOとIECは欧州の標準化団体、IEEEはアメリカの標準化団体となっています。

この規格が策定されるまで、ソフトウェアテストに関する統一規格はありませんでした。テストドキュメントやテストに関する用語や技法などを規格したものがそれぞれあり、それぞれの規格に定義やプロセスの不一致が存在するなどが改善すべき点として考えられており、統一規格として誕生したのがISO/IEC/IEEE 29119です。

Part1、Part2、Part3の初版は2013年に発行され、その後は段階的にPart5までがリリースされています。策定の検討から初版発行まで時間を要したのは、ソフトウェアテストの全般を押さえた規格を作るにあたってボリュームの多い内容になっていることが挙げられるでしょう。

現在までにリリースされている5つのPartにより、どのようなソフトウェアテストに対しても対応できる、使用できるようになっています。

ISO/IEC/IEEE 29119の構成

ISO/IEC/IEEE 29119は、5つのPartにより構成されています。

それぞれのPartについて詳しく解説していきます。

【Part1】テストの概念と定義

ソフトウェアテストに関する考え方、規格で使用される用語の解説、テストプロセスの概念、テスト自動化など、ソフトウェアテストについて紹介しています。

こちらに記載されている情報はPart2以降でも使用されている概念や定義を理解するためにも大切な部分であり、一通り確認することでPart2以降の理解を高めることにも繋がります。

また、Part1ではリスクレベルに基づくテストを設計・優先度付けをするリスクベースドテストについての説明も行われています。

【Part2】テストプロセス

考え方の中心となるテストプロセスについて定義を行っている部分です。ISO/IEC/IEEE 29119では、以下の3つの階層でテストプロセスモデルを定義しています。

それぞれのテストプロセスにおいて、上位に組織的なテストプロセスを用意し詳細なプロセスについてまとめるものとなっています。例えば、動的テストプロセスの場合はテスト設計・実装、テスト実行などに細分化。テスト実行プロセスはさらにテスト手順の実行や記録と言った作業に分けられ、手順などについて図示されています。

【Part3】テストドキュメント

テストで作成するドキュメントの種類、文書の構成要素などについて定義しています。主なテストドキュメントを挙げてみましょう。

いくつかのドキュメント、文書に関しては、サンプルも用意されています。ただし、全文英文となっている点に注意しましょう。

【Part4】テスト技法

テスト設計や作成する際のテスト技法について示されています。17個あるテスト技法は3つのグループに分けられており、それぞれ整理・解説されています。

それぞれのテスト設計技法において、テスト可能な範囲やテストをした範囲について割合で示すカバレッジ測定についての指針が示されています。

【Part5】キーワード駆動テスト

テスト設計からテスト実装に関係するキーワード駆動テストについて、その概要や使用の際のアプローチ方法が具体的に記載されています。テスト自動化の導入や改善する際に必要な情報を確認することができます。

テスト設計とキーワード実装という2つの段階があり、自動化に必要なスクリプトは20程度のコマンド理解で可能となるため、プログラム知識がなくてもテスト項目を作ることができます。

ISO/IEC/IEEE 29119 をどのように使うか

ISO/IEC/IEEE 29119を企業で採用する際は、膨大な情報とプロセスに手間が増えてしまうことを危惧することもあるでしょう。

この規格の定義をそのまま当てはめてしまうと、今までにない作業で仕事量が増える、プロセスを実践できずに無意味なものになるリスクが生じます。テストプロセスで定義されるドキュメント・文書についても、規格と同一のものを作成することを前提とするわけでなく、組織に合ったものに柔軟に変更することが大切です。

ただし、安全性に関わる規格については定義されているテスト計画書を取り入れることも必要です。規格に準拠するために社内でのプロセスを変更する、作業が増えることも考えられますが、一度に対応させるのではなく、徐々にテストや開発プロセスを合わせていくようにしましょう。

解説書が無料で公開

ISO/IEC/IEEE 29119は、解説書がISO議長のStuart Reid氏によって執筆されており、その日本語版が登場しています。それが、ソフトウェア規格の教科書です。

バルテス株式会社が運営するソフトウェア品質向上プラットフォームQbookでは、この解説書の電子版を無料で公開しています。Qbookに登録した人が特典として見られるものですが、会員登録は無料、登録後も無料で見られるようになっています。

参照元:Qbook公式HP(https://www.qbook.jp/download/1346.html)

ISO/IEC/IEEE 29119に準拠するドキュメントも公開

ISO/IEC/IEEE 29119に対応しているドキュメントが、ソフトウェア規格の教科書を無料で公開しているバルテス社により公開されました。必須項目を入力するだけで規格に準拠したテスト計画書が作成できるものであり、テストの設計や実装、実施、管理などすべての指針を定めることができるため、テストプロジェクトを円滑に進める材料となるでしょう。

参照元:Qbook公式HP(https://www.qbook.jp/e-book/b08c7wmq3z/)

ISO/IEC/IEEE 29119は5年ごとにレビューが行われる

ISは、5年に一度のレビュー実施と必要に応じた更新を行うよう、システマティックレビューという制度を設けています。これは、ISO/IEC/IEEE 29119も同様であり、更新版が発行されています。更新版については末尾につく西暦年で確認することができるため、ISO/IEC/IEEE 29119を参照している企業は最新版を確認する必要があります。

今後も新たなPartが追加される予定ですので、注視しておくと良いでしょう。

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