テスト自動化をサクサク進めるためのWebマガジン「SAKUTES(サクテス)」 » テスト自動化ツールは、「無償」 と 「有償」 どちらがいい?

テスト自動化ツールは、「無償」 と 「有償」 どちらがいい?

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テスト自動化ツールには、無償と有償の2つのタイプがあります。無償のほうがコストを抑えられるから良いという方もいれば、有償のほうが安定的に運用できるから良いという方もいることでしょう。双方の特徴を比較してみましたので、ご検討の参考になれば幸いです。

「無償」 と 「有償」の特徴から判断

無償ツールと有償ツールの特徴を比較した上で、どちらを選ぶべきかの基準について検討してみましょう。

初期投資が無料でも費用対効果を得られにくい無償ツール

無償ツールとは、初期投資がかからずに導入できるテスト自動化ツールのこと。初期投資が無料なので、稟議申請や予算編成などの社内手続きは一切不要。思い立ったらすぐにでも取り組める点が無償ツールの最大のメリットです。

一方で、やはり無償である以上、有償ツールのような充実した機能やサポートは期待できません。実装して運用まで導くためには、一定の実務経験を積んだレベルの開発スキルが必要です。社内に該当する人材がいるかどうか、いたとしても担当してくれるかどうか、いなければ外部から人材を探すか等々、初期段階から様々な壁にぶつかります。もし開発スキルが不十分な人材が担当すれば、実装までに多くの工数を要することでしょう。

逆に言えば、すでに十分なスキルのある人材が社内にいて、なおかつ、その人材が無償ツールの導入に前向きであれば、実装まで導くことは可能とも言えます。ただし、いかにスキルの高い人材であれ、実際に無償ツールを実装に導くためには相応の工数が必要となるため、人件費等の費用対効果との兼ね合いを考えた場合、十分な検討が必要となるでしょう。特に、マウス操作の多い場合やデータ駆動系の実装を行う場合には、特定のテクニックが必要なため、スキルの高い人材でも苦労する可能性があるでしょう。

なお、一般的な無償ツールは公式のサポートに対応していません。

無償ツールでテストを自動化する場合の注意点を見る

コストはかかっても費用対効果を得られやすい有償ツール

有償ツールとは、初期投資や更新料などのコストがかかるテスト自動化ツールのこと。初期のイニシャルフィーと運用中のランニングコストがかかるため、利用に際しては慎重になる企業も少なくありません。

ただし、有償である以上、無償ツールとは違って使い勝手は格段に良いことも事実。オブジェクトの識別性に優れている点、GUI操作で自動操作を記録できる点、OSのバージョンアップにも対応している点、定期的にアップデートが行われる点、公式のサポートに対応している点など、無償ツールと比較した際のメリットは数多くあります。開発スキルが不十分なエンジニアでも、問題なく実装まで導くことができるでしょう。加えて、作成したスクリプトのメンテナンス工数が大幅に削減されるため、長期的には費用対効果を得やすい傾向にもあります。

無償とは違って投資は必要となるものの、人件費や機会損失の視点から見れば、有償のほうが実質的コストは安くなる可能性もあるでしょう。

自社製品を適切に検証できるツールを選ぶ

たとえば、仕様の修正などによりオブジェクトの並びが変わった場合、無償ツールが自動的にこの変更を識別することは困難と言わざるを得ません。識別できない以上、人の手によってオブジェクト認識をやり直す必要が生じ、その分の工数が増大します。工数の増大は、業務の非効率化や人件費等の増加にもつながることでしょう。

一方で有償ツールの場合には、IDの有無に関わらずオブジェクトを識別する機能を搭載していることが大半なので、仮にオブジェクトの並びが変更されたとしても大きな問題にはなりません。無償ツールで生じうる工数が大幅に削減されることから、実装から数年で費用対効果をプラスにすることも可能でしょう。

無償ツールと有償ツールのどちらが良いか、というテーマに正解はありません。「初期投資を抑えたい」という目的に比重を置くならば、無償ツールを選んだほうが良いでしょう。一方で、「長期的な費用対効果を重視したい」という目的に比重を置くならば、有償ツールが適しているかもしれません。

いずれのツールを選ぶにせよ、最大限に重視すべき点は「自社製品を最も適切に検証できるかどうか」ということ。無償であれ有償であれ、適切な検証ができるならば、いずれは費用対効果をプラスにできる可能性が高くなります。逆に適切な検証ができなければ、いかに多機能なツールを導入しても、いつまでも費用対効果を得られない可能性があります。

無償か有償か、メジャーかマイナーかという基準ではなく、自社製品に適しているかどうかという基準を大切にしましょう。

まとめ

無償ツールと有償ツールの特徴を比較した上で、どちらのツールを選ぶべきかという基準について解説しました。

テスト自動化ツールを導入に導くまでには、多大な工数や時間を要します。導入してみて「やっぱり失敗だった」となると、それまでの工数や時間がムダになりかねません。フィージビリティスタディなどを通じて慎重にツールを検討し、自社にとって最大限に有効なツールをセレクトしていくようにしましょう。

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