日頃の業務を、より効率的に、よりスピーディに運用するためには、さまざまなプロセスの自動化が欠かせません。ここでは、テストの自動化を行うテスト自動化ツールを、どのような観点で選ぶべきか解説しています。
どのようなテスト自動化ツールを選ぶべきかは、テスト対象との相性によって大きく左右されます。特に重点的に確認するべきポイントは、オブジェクトの認識度、メンテナンスの必要性およびその頻度、チューニングの必要性などです。
たとえば、テスト対象となるプログラムがマウスホイールや右クリックに機能を割り当てている場合を想定してみましょう。その場合、自動化ツールはマウスホイールや右クリックといった操作を認識・記憶する必要があります。しかし、自動化ツールがこれらの操作に対応していない場合、必要な機能を後付けで実装しなくてはいけなくなるので、大きな手間がかかってしまうのです。
いくら有名なテスト自動化ツールであっても、動作環境をはじめとするさまざまな要因でうまく動作しなかったり、機能が制限されたりすることがあります。そうした事態を防ぐためには、事前にGUIの認識能力を確認しておく必要があるのです。
ツールベンダーの用意したデモ環境で製品が正常に動作するのは当たり前なので、確認するべきは自動化したい製品を対象にした自動化ツールによるGUIの認識能力の確認となります。デスクトップアプリ、Webアプリ、モバイルアプリといったアプリごとに、どのGUIも正常に動作することを確認してからテスト自動化ツールを導入しましょう。
多くのテスト自動化ツールには、無料で実際にツールを試用できる体験期間が設けられています。この体験期間を有効活用し、さまざまな環境での動作や機能を試してみることもツールの選定において非常に重要です。
高額なツールであっても、そのツールが自社の環境で正常に動作する保証はありません。環境との相性もあるので、対象となるツールが自社の環境で希望通りに動作するか、体験期間のあいだにしっかり確認しておきましょう。
テスト自動化ツールを選ぶ際には、アップデートへの対応スピードもチェックしておきましょう。自動化ツールの導入を希望している製品の開発言語によっては、あとからパッチを当てる必要があったり、OSに未対応だったりします。アップデートへの対応が早ければそうした状態を早急に解決できるので、結果的に業務をスピーディかつスムーズに進められるようになるのです。
また、新しいOSに素早く対応してくれるツールを探すときには、英語版を探すのがおすすめです。これは、多くの自動化ツールは英語版を日本語に対応させたものが多いからです。
テスト自動化ツールは、ツール単体で運用することだけでなく、ほかのツールと連携することも考慮して選ぶのがポイントです。継続的インテグレーション (CI) ツール、テスト管理 (TM) ツール、簡単なタスク スケジューリング ツールなどのツールとの連携ができれば、可能な業務の幅が広がります。
特に、スケジューリングツールに関して言えば、自動テストの開始が特定のアクション やテスト自動化対象のテストケースから呼び出せるかどうかも重要な観点となります。
機能に直接関係する部分ではないものの、自動化ツールのライセンス形態も確認しておく必要があります。たとえば、デスクトップアプリ、Webアプリ、モバイルアプリなどを網羅しているものもあれば、それぞれのアプリごとに販売されているものもあるのでしっかり確認しておきましょう。
テスト自動化ツールを導入する際には、いくつかの注意点があります。まず、テスト対象との相性はどのようなツールを選ぶべきかを大きく左右するポイントなので非常に重要です。ほかにも、GUIの認識能力の確認もやっておきましょう。また、体験期間を有効に使って機能を試したり、ライセンス形態について確認しておくことも大切です。
商品名 | Ranorex (ラノレックス) |
Autify (オーティファイ) |
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商品タイプ | パッケージ型
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SaaS型
初期費用を抑えて |
対応テスト |
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実行回数 の制限 |
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400回/1000回/任意 ※プランにより異なる |
日本語サポート | 導入後のセミナーが充実! | ヘルプサイトが充実! |
体験版 | 14日間 | 14日間 |
※Googleで「テスト自動化ツール」と検索し上位表示されたパッケージ型、SaaS型のテスト自動化ツール21種類の中から、(1)クロスデバイス、マルチブラウザに対応し、(2)日本語のサポートがあり、(3)ノンプログラミングでシナリオ作成が可能なツールをピックアップ(2021年11月1日調査時点)。パッケージ型、SaaS型それぞれの代表商品を選出しました。
【代表商品の選出基準】
☆パッケージ型:上記の条件の通り。
☆SaaS型:上記の条件に加え、公式サイト上に導入事例がもっとも多かったツールを選出。